皆さんこんにちは🌞

今回の夏の自由研究は…猛暑の中読んでいただくのには少し暑苦しいかもしれませんが、シャギー生地の分析となっております!🐑

はじめに、シャギーとは…

「毛むくじゃら」という意味で、羊毛繊維の自然の捲縮を織物表面に表したものです!
起毛した毛を刈り揃えないため、毛足が長く荒々しい印象の生地となることも毛むくじゃらと言われる所以かもしれませんね…!

←32-20223、c/#6、c/#11


モヘヤ糸を使った織物を起毛したものが多いです!

モヘヤ…アンゴラ山羊の毛のこと。

主産地は、トルコ、南アフリカ、アメリカなど。

光沢があり、柔らかくなめらかな、非常に長い繊維が特徴です…! モヘヤ以外にも毛足を出しやすい糸に、アルパカなどの獣毛もあります。

今回分析したシャギー生地は、32-20223(ミールテープカットロングシャギー)という品番です!
たて糸、よこ糸にモヘヤループ糸と呼ばれる意匠糸を使ったループカットシャギー商品です。

左記生地が32-20223のシャギー前となっています。
生地表面にループの形状があるのですが、見えますでしょうか?(この状態で表面に浮き出る毛足のカットも行っています)

この糸を起毛機で掻き出して毛足を生地表面に出していくと、シャギーになっていきます!

起毛後の写真はこちらです!👇

完成された生地は、かさ高で柔らかい、軽さも兼ね備えた生地となります!

シャギー前の生地からもっと糸形状が分かるように糸まで分析してみました!

少し分かりにくいかもしれませんが…糸を軸に上下にぽこぽことしたループが見えますでしょうか?

こちらがループヤーンです!(糸同士が絡み合って毛羽立っていますが、起毛前の生地から取り出した糸です)

ループヤーンを使うことによって生地表面に毛が浮き出るため、起毛を行う際に毛足が出やすくなるという特徴を持っています!

今回の自由研究では、筆者のシャギー生地はどのようにつくられているのかという疑問を解明することができた良い機会となりました!
糸の段階まで分析でき、32課の生地の理解も深められました。🧵
糸を上手に使いこなす(選ぶ)ことで、生地本来の持つ魅力をより引き出し、加工を施すことでさらに表現の幅を広げることができます!!

意匠糸は、ループヤーンの他にも、下記写真のように多数存在しています!

愛知県繊維振興協会発行
TEXTILE HANDBOOK:P73参照

ネップ・ヤーンでは、生地表面に粒々が表れて、スラブ・ヤーンであれば、生地にシャリっとした触感が付与できるなど、意匠糸は生地にアイキャッチ性を持たせることができます!

近年は暖冬の影響で冬物は敬遠されてしまいがちですが…
筆者は冬のコート地として永年定番のシャギーを今後とも推していきます!!
表情感だけでなく、あたたかさ、軽さなどの実用性も備えたシャギー生地、2024年の冬物にいかがでしょうか?

32課のシャギー商品は以下の通りです↓

<32-20223>、<32-20316>、<32-2212>、<32-67710>、<32-68107>、<32-68406>、<32-68414>、<32-68908>

気になった方は、営業担当までお問合せください!

今回にて全4回、今年の夏の自由研究は終了いたします…!🍉
お付き合いいただきありがとうございました✨
次回以降のNEWSもお楽しみにお待ちください!!