夏の自由研究も今週でおしまい。。最終回では、筆者が長らく興味のあった「生地分析」を、実際にやり方を織物設計士に教えてもらいながら実践してみようと思います!🍉

織物設計士…32課の自家生産商品(32-30000~39999の商品は全て自家生産している完全オリジナルの生地たちです)を考案し、形にしている生地作りのスペシャリスト✨ 生地の企画設計にはじまり糸の手配、生産工程のハンドリング、納期管理まで全てのマネジメントを担っております。現在32課には2名の織物設計士がいます。

そして今回分析する生地は、

W100%のこちらの生地です!ぱっと見ツイル地かな~と予想はできますが、、これがどんな糸使い、組織の生地なのか、これから具体的に分析していきます👀

以下は分析に使用する道具です。はさみ、ピンセット、定規、電卓、方眼用紙、インチメガネ👓

分析工程① 目付

初めに目付(g/㎡)を計測します!まず、綺麗な長方形になるよう生地の形を整えます。このときに各辺が真っすぐ平行になっていないと、正しい数値を導き出すことができません。カットしたあとタテとヨコの長さを測ります。

今回は、タテ14.8cm×ヨコ12.9cmでした。

次に、この生地を小数第3位まで測れる超緻密な計測器で測ります。

結果は3.567g

これを以下の数式で計算して、、

10000÷(14.8×12.9〈生地面積〉)×3.567=186g/㎡ ズバリ、目付は186g/㎡になりますね!

これで目付はもとめることができました!

分析工程② 番手(糸の太さ)

目付が分かったら次は経糸、緯糸、それぞれの番手を分析してみましょう✊

生地の糸をほついて10本の糸を束ね、ハサミを使って長さを揃え、定規で何cmあるか計測します。そのあと重さも測ります。今回、経糸は12.5cm、重さは0.040gでした。

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これを以下のように計算して、、

125〈糸10本分の長さ〉÷0.040÷100=31.25g/m

約30gなので1/30相当の太さになります。ただ、糸をよく見ると双糸だっため、2/60になると予想できます。ちなみに緯糸も同じように分析したら28.18g/mだったことから、緯糸も2/60だろうと判断できました!

分析工程③ 密度(打ち込み本数)

番手の次は、生地密度を測っていきます。

密度分析にかかせないのは、こちらのインチメガネ!その名の通り1インチ四方の拡大鏡なのですが、この枠内で何本の糸が打ちこまれているかを数えることで、密度をもとめることができます。

とても繊細かつ骨の折れる工程でした…💦(笑)

分析の結果、経糸の密度は81本/inch、緯糸の密度は60本/inchでした!

分析工程④ 組織

ここまで、目付・番手・密度と明らかにしてきましたが、最後は生地の表情を左右する組織の分析になります!ここでもインチメガネが活躍します。

経糸の浮き↑沈み(緯糸で隠れる部分)↓がどのようなリピートでおこなわれているかを肉眼で見て、それを方眼用紙に起こしていきます。経糸が浮いていたら■、沈んでいたら□で表現します。

分析の結果写真のような組織図になり、ここでやっと、これが3:3の綾組織(別名ボタニー)かつ6本×6本の「完全組織」(=リピート範囲のこと)である!と分かりました。

これで分析は終わりです!

ここで勘の鋭い方はお気づきかもしれませんが、分析したのは 32-30266 です。今回の分析では目付や打ち込み本数に多少誤差が出てしまいましたが、初めてにしてはまずまずの正確さだったのではないでしょうか!自画自賛👏

今回で自由研究シリーズは終了ですが、若手一同探求心を忘れず、興味を持ったことを今後も突き詰めてまいります✨