店頭やオンラインサイトなどで、『細番手』や『80番手』『40デニール』という言葉を目にしたことはありませんか??
上記の中で最も身近なのは、女性用のストッキングなどに記載されている『デニール』ではないでしょうか。
『デニール』も今回ご紹介する、番手の一種です。
番手(ばんて)とは、糸の太さを表す単位のことで、ウールや麻・綿といった天然繊維では、数字が40、、60と大きくなるほど糸が細くなります。細番手になればなるほど、紡績出来る原料も限られ、糸が切れやすく織るのも困難なため、比例して素材価値も高くなります。
ただ、素材ごとに番手の計算・表記方法が異なるため、ウールの60番手=麻の60番手ではないということだけ要注意です!(具体的な番手の算出方法はまた改めてご紹介予定です!)
その一方で、先ほど紹介した『デニール』はポリエステルやナイロンといった合繊繊維の番手を表記する際に用いられ、こちらは数字が大きくなるほど糸が太くなります。
実際に32課が取り扱っている梳毛素材(梳毛と紡毛の違いについては第5回を参照)で細番手とレギュラー番手の生地を比較し、実際に糸の番手が生地にどういった影響を与えているのか、見ていきましょう!
①32-30206 116番手の糸を2本撚り合わせたウール100%素材。

②32-30377 60番手の糸を2本撚り合わせたウール100%素材。

上記2品番を比較すると、番手が違うだけで素材感に大きな違いがあることが分かりました。①は細番手の素材であればシャツやブラウスといった薄く・しなやかなアイテムに適しています。
その一方で②のような生地はボトム・ジャケット・コートなど、より強度と耐久性が求められるアイテムに適していると言えます。
上記のことから、糸の番手は作るアイテムの適正を図る上での1要素になることが分かりました!
原料・撚糸(糸を撚り合わせること)・組織によってもアイテムの適正というのは大きく変わるため、あくまで一つの判断基準ということだけ覚えていただければと思います!!
次回は、糸の撚り方(撚糸)についてご紹介!