RWS ~Responsible wool standard(レスポンシブル ウール スタンダード)~
RWSとは:
Responsible Wool Standard(レスポンシブル ウール スタンダード)の略で、
羊と土地の管理を実践した農場で生産された羊毛原料がその後の最終製品に至るまですべての製造工程において、正しく、間違いなく使われ、管理されているかのトレーサビリティを証明する国際的な認証基準です。
動物の人道的な扱い、土地の健康、健全なサプライチェーンの構築など認証のための4つの柱があり、全ての製造工程において審査を受け、認証を取得することにより、RWSウールと認定されます。
少々難解な印象があるかもしれませんが、こう言い換えてみたらどうでしょうか。
「オーガニック」という言葉は皆様もよくご存じかと思います。
IFOAM 国際有機農業運動連盟 はオーガニックの原則として
「生態系」 「健康」 「公正」 「配慮」
の4項目を掲げています。
RWS認証はオーガニックの概念と通じるともいえる原料なのです。
こんなにも素晴らしいサスティナブルウールがあることを知り、2018年9月に認証を取得、開発をスタートさせました。
【 R W S 認証 4つの柱 】
RWSの認定には全ての製造工程において審査を受け、以下の条件を満たし認証を取得することが必要となります。
1, ミュールジングの禁止
2, 土壌の健康を守る
3, 5つの「動物の自由」を尊重
4, サプライチェーンの確保
1, ミュールジングの禁止
「ミュールジング」という言葉を聞いたことがありますか?
ウールを取りやすく品種改良されたメリノ種のヒツジは、皮膚面積が大きく、皮膚にシワが多い品種です。
そのため、そのシワに糞尿がたまりやすく、虫がわいたり、病気にかかったりしやすいために、臀部(おしりや性器)を切り落とす方法。これを「ミュールシング」と言います。
ミュールシングは無麻酔で行われ、また傷跡の治療なども行われません。そのこともあり、動物愛護の面から問題視され、イギリスをはじめミュールジングを法律で禁止する動きや、世界のラグジュアリーブランドからファストファッションブランドまでがミュールジングを施した羊の毛を使わないと宣言しています。
羊に痛みを与えないノンミュールシングのウールを選びたい。
RWS認証を受けたウールは、ミュールジングを行っていない
ノンミュールジングウールを使用しています。
2, 土壌の健康を守る
家畜の放牧地を確保したり、飼料を生産したりするために、農地開発が世界的に進んでおり、現在地球の陸地の26%が家畜の放牧地に使われています。
地球を守るためには森を保護し植林をしなければならない一方、産業開発のためには、土地が必要。
人類は気候変動と産業開発の板挟みに陥っている状態です。
我々は持続可能な産業として、いま使用している土壌を守り、地球環境を壊さないために、以下の土地管理を実施しています。
<RWS認証 土地の管理において望ましいおこない>
・土壌の健康状況を理解し、土壌の健康への影響を緩和し改善する
・土地の生物多様性に何が影響を与えるかを知り、それを改善する戦略を持つこと
・農場の農薬負荷を適切に管理することを達成するために最少量の農薬を使うこと
・その土地の地力を維持させて必要な栄養状態に合うように最少量の投入物
(肥料)を使うこと
3, 5つの「動物の自由」を尊重
冬の寒さや夏の強い陽差し、雨や風から羊を守り、呼吸するウール。
ウールは羊にとって必要で大切な身体の一部です。
羊がその土地に適合し、ストレスなく健康であれば、自然環境や天候の多少の変化にも影響されずに済みますが、そうでなければ羊もウールも大きな影響を受けていくでしょう。
ウールを分けて頂く立場である我々は羊本来の自然のままの優しい飼育のために、
「5つの動物の自由」を守ることを義務付けています。
<RWS認証 5つの動物の自由>
・空腹や喉の渇きから守る
・不快を与えない
・痛みや怪我、病気から守る
・生物の習性に則している
・恐怖や苦痛を与えない
4,サプライチェーンの確保
RWS認証は、農場からその後の加工工場、製品が出来上がるまでの全ての工程での審査、認証取得が必要であり、サプライチェーンを築く必要があります。
・・・・・・以上が、R W S 認証 4つの柱です。
RWSウールについては担当営業へ是非お問い合わせください。