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お知らせ 2020.11.24

瀧定名古屋、ソトー工場内にラボ開設

瀧定名古屋、ソトー工場内にラボ開設

瀧定名古屋の婦人服地32課は11月初め、愛知県一宮市の染色加工大手ソトーの工場内に
「TSクリエーティブラボ」(仮称)を立ち上げた。婦人織物の自家生産や新たな開発を強めるのが狙い。
自家生産生地を「tksyn」(シン、商標申請中)ブランドとして打ち出すための拠点とし、
取引先アパレルとの商談やクリエイションの場としても活用する計画だ。
高齢化が進む産地企業のノウハウを継承・蓄積し、
オリジナルの生地を創出できる人材の育成や物作りでの強みの発揮を目指す。
厳しい環境下でコンバーターとしての新たな役割を果たす試みとして注目される。

知れば知るほど大変

32課は15年から自家生産に取り組み、意匠設計の人材育成に力を入れてきた。
その前の年にソトーから瀧定名古屋に移った桂川隆志氏を生産管理担当に据えた。
「以前から工場に入り込んではいたが、物作りは知れば知るほど大変な世界。
自分たちだけは無理」(瀧定名古屋の小野高志婦人服32課課長)として迎えた。
意匠設計では他課から異動した野垣直果さんや19年に入社した伴朋香さんらが当たる。

自家生産の20年1月期の売上高の実績は4憶~5憶円。
これまでに開発した生地は300種類に上る。
インドやタイのメーカーから仕入れた梳毛、
伊メーカーやオーストラリアで調達した紡毛などを自ら設計し、
整理・加工の大半をソトーに依頼してきた。
32課の売上高のうち半分は尾州での物作りに依拠している。
技術を継承し発注し続けることが産地の継続にとって欠かせない。
天然繊維にトラブルは付き物だが、工場任せでなく
自ら原因を究明できれば、今後の改善にもつながる。
取引先の要望に沿ったオリジナルの生地の提供を続けるためにもラボが必要と判断した。

今までと同じでなく

ラボはソトー第1工場の一角で66平方メートルの区画を借り受け、
商談や作業のスペースを設けた。
自家生産のための見本作成の糸や、2年分の生地サンプルを置く。
経費がかかる取り組みだが、「これまでと同じことをしていてはダメ。
物作りに力を入れて発信する必要がある」(瀧浩之取締役婦人服地部長)として始めた。

ブランドの読み方、シンには「新、真、芯、心、進などの思いを込めた」という。
ロゴには尾州の機場ののこぎり屋根をデザインし、物作りへの思いを表現した。
ホームページやユーチューブ、インスタグラムなどで32課独自の発信も強める。

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