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メディア 2024.10.18

瀧定名古屋 構造タンパクの生地本格販売

瀧定名古屋 構造タンパクの生地本格販売
  
繊維ニュース2024年10月8日(火)掲載分
 
瀧定名古屋の紳士服地部は、構造タンパク質素材「ブリュード・プロテイン」を
使った生地の本格販売を開始する。ウール複合の織物とニットを海外で生産し、
スーツやコート用途で国内外の市場に打ち出す。25秋冬物のうち2品番は備蓄し、
1反から注文を受ける。高級ゾーンを中心に提案を強化する。
 
ブリュード・プロテインは、ベンチャー企業のスパイバー(山形県鶴岡市)が開発した。
原料を石油などの化石資源に依存しないことが特徴で、主に植物由来の糖類を原料に
発酵生産によって作られる。持続可能性のある素材として衣料品のほか、人工毛髪や
医療分野などでも展開が期待されている。
 
瀧定名古屋では、紳士服地部2課が25秋冬物から本格販売に乗り出す。
ブリュード・プロテインは染色が難しいとされ、「試行錯誤を重ねて、ようやく生地が完成した」と話す。
中国で染色(トップ染め)から紡績、製織まで一貫で行う。織物のほか、ニットも
量産にめどが付いているとしている。
 
ブリュード・プロテイン10%混の梳毛織物をスーツ用途に、10%混の紡毛織物をコート用途に
投入する。この2品番は合計で10色を備蓄販売する。生地値はカシミヤよりも高いとされ、
持続可能性などを伝えて需要を掘り起こすことが課題と捉えている。
地球環境負荷軽減の取り組みが比較的進んでいる欧州市場での提案強化を図る。
 
今後、国内外のハイブランドを開拓するための武器とするほか、「2課のフラッグシップ商品と
することで瀧定名古屋紳士服地のブランド力を高める」とした。
当面は10%混の提案が中心になるが、日本国内の協力工場で100%使いの織物を試作中。
「いろいろな可能性を見据え、挑戦を続ける」と話した。
 
25秋冬向けでは、天然繊維を使った生地の提案や合繊使いによる機能の打ち出しにも
継続して力を入れる。
そのほか、リスク分散の観点から、生地の適地適品生産も加速する。
中国、台湾、ベトナムに加え、タイやインドでの生産を増やす。
インド生産は現状では全体の5%程度だが、15~20%程度に拡充する。
 

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