メディア 2025.04.18
瀧定名古屋・紳士服地 世界各拠点活用しモノ作り
瀧定名古屋・紳士服地 世界各拠点活用しモノ作り
繊維ニュース:2025年4月17日(木)掲載分
瀧定名古屋の紳士服地部は、日本を含めたグローバル拠点を活用したモノ作りで存在感を示す。
紳士服は、求められる機能や価格帯が多様化しており、適地適品生産の強化によって、
こうした流れに対応する。
顧客の細かな要望に応じる体制を敷き、紳士服地分野でシェアアップを図る。
紳士のスーツ・セットアップ用素材の需要は、郊外店などの在庫調整もあって盛り上がりを欠く。
同社紳士服地部の25春夏物の販売も同じような傾向で推移し、
セレクトショップ系や百貨店アパレル向けの展開は健闘を見せたものの、全体としては伸び悩んだ。
26春夏向けは在庫調整が一段落したとし、「挽回したい」と話す。
紳士スーツ・セットアップ市場は価格を含めて多様化・細分化が進んでおり、
機能やコストに応じて生産地を使い分ける。
紳士服地部が持つオペレーション力の提案で競合他社と差別化する。
日本や中国、台湾、ベトナム、インドなどに生産拠点を持ち、
例えば「ウール・ポリエステル生地は中国やベトナムで作る」ほか、
日本では尾州や北陸、岡山などの産地企業と連携する。
協力工場にイタリアの設備を導入するなど、高級ゾーンを意識したモノ作りも行っている。
このほど東京都内で開いた26春夏展でもそれらの強みを訴求した。
機能面では近年の猛暑・酷暑に対応し、接触冷感や
軽量感、撥水(はっすい)などを切り口にした生地を重点的に紹介した。
そのほか、ウールや綿、リネンなどの天然繊維を使った生地、合繊繊維使いの生地も並べた。
接触冷感では、ナイロン使いの織物やポリエステル・ポリウレタン複合のニットなどを打ち出した。
軽量生地では、ウール・ポリエステル複合で目付けが172㌘の生地などをそろえた。
撥水では、C0(フッ素フリー)のウール100%生地などを提案した。
「天然繊維から合成繊維、機能、高級ゾーン、価格対応まで全方位でラインアップし、
グローバル生産拠点と組み合わせることが可能」とする。
顧客のさまざまな要望に対応したモノ作りをアピールし、販売拡大につなげる。