メディア 2024.08.23
服地卸・コンバーター 輸出比率が上昇 〝日本ならでは〟に引き合い
服地卸・コンバーター 輸出比率が上昇 〝日本ならでは〟に引き合い
繊研新聞電子版2024年8月23日掲載分
繊研新聞社が服地卸・コンバーター企業を対象に実施した調査によると、23年度の服地売上高で
輸出比率が前年度に比べて高くなった企業は、比較可能な13社のうち8社だった。
国内市場が厳しい状況で、輸出の重要性が増している。
23年度の服地売上高調査で、回答のあった21社の売上高の合計は1504億1100万円で、
前年度比11%増だった。輸出比率を公表している企業13社の全体売上高と輸出比率から
類推する輸出売上高は238億3800万円、9.6%増と引き続き伸びている。
中でも中国向けは、比率を高めた企業が9社と拡大が目立つ。
反対に景気低迷が懸念されている欧米向けは比率が下がった企業が多い。
なお、今年5月の平均為替レートは1ドル=155.48円で、前年同月比で14.9%の円安だった。
具体的には「国産機能合繊と国内産地高級天然素材が好調」(川越政)、「日本独自の加工感を
加え付加値を高めた製品」(コスモテキスタイル)など、海外では製造できない日本ならではの
素材が好調という。地域としてはベトナムや中東、北米などに注力する企業があった。
ただ、「メイド・イン・ジャパン商品の引き合いは多いが、産地縮小、人手不足によりニーズに
対応できないもどかしい状況が続いている」(ササキセルム)との指摘もあった。
輸出比率を伸ばしたのはサンウェル、タキヒヨー、宇仁繊維、澤村、柴屋、コスモテキスタイル、
北高、ササキセルムの8社。
22年度と変わらなかったのはデビス、双日ファッション、川越政、ラインズのクリスタル・クロス
事業部。下がったのは瀧定名古屋。スタイレム瀧定大阪、大松、クロスジャパンは非公表。
円安を背景に海外展開に力を入れる企業が多い。「横連携し国内外の新市場創出、
新規得意先の開拓を進める」(北高)、「中国の広州、杭州、深圳地域へのエージェント開拓を
進めている」(柴屋)など、様々な施策に取り組んでいる。
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