お知らせ 2022.04.21
感覚過敏に対応擦る素材の研究 異業種、大学との連携強化
感覚過敏に対応擦る素材の研究 異業種、大学との連携強化
繊研新聞 4月14日掲載分
瀧定名古屋は異業種や産学連携の取り組みを進めている。既存の販路に加え、
新たな収益の芽を育てていく動きの一環。
現在は感覚過敏の悩みを持つあらゆる人のために向けた「感覚過敏研究所」の
運営するクリスタルロード(東京)と取り組んでいる。
感覚過敏とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの諸感覚が過敏で、
日常生活に困難さがある状態を指す。
きっかけは、20年夏頃にクリスタルロードの加藤路瑛社長からの
「感覚過敏に悩む人に向けたアパレルを作りたい」という相談だった。
加藤社長自身も小さな頃から感覚過敏に悩んでいた。
瀧定名古屋が、素材の混率や組織、特徴の説明からスタートした。
その後打ち合わせを継続し、21年9月14日から10月25日まで、
クリスタルロードがクラウドファンディング(CF)サイトのグッド
モーニングで感覚過敏課題解決型アパレルブランド「カンカクファクトリー」
を販売した。
生地はレーヨン63%・ナイロン32%・ポリウレタン5%のストレッチポンチ。
表面がなめらかで毛羽だちが少ないのが特徴。
目が細かく密に編まれている生地のため重量感があり、洗い加工で風合いは柔らかい。
目標金額120万円に対して、260人から支援総額432万円が集まった。
3月には有楽町マルイで期間限定店も開き、CFで販売したパーカに加え、
春夏新作のTシャツやタンクトップなども披露した。
新作の素材も瀧定名古屋がサポートしている。
21年4月からは信州大学繊維学部との共同研究もスタートした。
元々同大学の繊維学部と繋が理がある瀧定名古屋だが、クリスタルロードとの
取り組みで知った「感覚過敏」について、産学連携のテーマとして取り上げる
ことになった。大学の教授と学生、瀧定名古屋に加え、クリスタルロードの
加藤社長も共同研究者として参加。
月1回程度、オンラインで打ち合わせをしていった。共同研究を1年間続け、
3月の「第17回日本感性工学会春季大会」で「触覚過敏者における
衣服課題と衣料用編物の触覚評価」として発表した。
今年4月以降も信州大学、クリスタルロードと共同で、より感覚過敏に
ついての実践的な検証などを継続する計画だ。