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瀧定名古屋の生地輸出 ウール混と縫製品が鍵 前期は米国、北欧がけん引

瀧定名古屋の生地輸出 ウール混と縫製品が鍵
前期は米国、北欧がけん引

瀧定名古屋で中国向け以外の生地輸出を手掛ける国際貿易推進部の
2018年1月期売上高は前期大幅増収となった。
ほぼ実績のなかった北欧向けが開拓できたほか、米国向けが急拡大した。
今期も引き続き海外市場開拓を進めるが、
黒田剛臣部長によるとそのポイントになるのは、
ウール混生地の拡販と縫製品の取り扱いスタート。

前期はサステイナビリティーや機能素材の打ち出しを強めたことが
奏功して北欧のグローバルブランドで同社生地の採用が進んだ。
米国向けは以前から実績を積んできたが、前期はさらに伸びた。

ウオッシャブルウールがトラベルスーツ地として
大口契約に至ったことが最大のけん引役で、同取引は継続性もあるという。
同商品は6年ほど提案を続けたものの全く売れず、
前期でようやく日の目を見た。

主要国ではフランス向けのみ「提案力不足」によって減少したが、
前の期は落ち込んだドイツをはじめ他の国・地域は軒並み伸長し、
同部の管轄ではないが中国向けも伸びた。

今期も引き続き輸出拡大に臨む。
拡大策の一つがウール複合生地の開発、提案強化。
ウールは原料価格の高騰やスーツ着用機会の減少などを背景に、
全世界的規模で需要も供給も減っているとされる。
ポリエステル・レーヨン混などへの置き換えが進むが、
同社が目を付けるのが、ウールと異素材の複合。

軸はポリエステル・ウール混で、ウールの上質感と
ポリエステルのイージーケア性を売りにする。
「複合技術は日本が得意とするところであり、
ウールは当社が最も大事にしなければいけない素材の一つ」とし、
自社原料部門とも連携しながら、ウール複合生地の開発、提案を加速する。
「(ポリエステル・ウール混は)売れ始めているし、
さらに普及させる自信はある」と既に手応えも得ている。

輸出拡大へのもう一つの策が、縫製品との連動。
「あくまで基本は生地の販売」としながらも、
世界中でアパレル企業のデザイン機能や縫製機能が
弱まっている流れを受け、今期中に海外市場向けで
自社生地使いの縫製品OEM事業をスタートする計画。
主にボリュームゾーンを対象とし、自社が持つ縫製機能を活用する。

オランダに現法設立 欧州向け輸出加速

瀧定名古屋は2018年1月1日付で、オランダ・アムステルダムの
駐在員事務所を法人化した。社名はタキサダ・ヨーロッパ。
社長には駐在員事務所長を務めていた黒田剛臣国際貿易推進部長が就任。
現状の人員は黒田社長含む2人で駐在員事務所時代と同じだが、
今後は増員していく。

アムステルダム事務所は15年夏に設立したもので、
同社の欧州向け輸出拡大の拠点として重要な役割を担ってきた。
今回の法人化によって直接的に売買が可能になる。
これを機に順調に拡大する欧州向け生地輸出を加速するとともに、
「世界中に根を張るためには売買可能な拠点を設ける必要がある」とし、
米国など他の国・地域でも法人設置を検討していく。

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