メディア 2019.12.18
専門商社 テキスタイルの海外販売へ
専門商社 テキスタイルの海外販売へ
国内外で差別化素材を開発・調達
名古屋地区の専門商社はテキスタイルの海外販売の拡大に力を入れる。
日本市場が縮小するなかで海外市場の開拓は避けられない課題だ。
特に欧州は重要な市場とみて、展示会への積極的な出展や、
現地での拠点の開設・人員の配置が進む。
ただ、国内の物作りは弱体化が続き、海外市場で差別化できる
素材の開発や調達の維持・発展では足元の揺るぎが気になる。
顧客密着で細かい対応
瀧定名古屋は北米のメンズ市場を皮切りに
アジアやドイツ、フランス、スペイン、イタリア、北欧を開拓してきた。
輸出を担う国際貿易推進部によると、欧州向けの輸出は順調で、
18年度輸出額は前年度比10%以上伸び、今年度も拡大が続いている。
生地コンバーターの強みを生かし、顧客に密着したきめ細かい対応で、
現地のアパレルメーカーやファストファッションに販路を広げている。
オランダ・アムステルダムの駐在員事務所を19年1月に現地法人、
瀧定ヨーロッパに格上げしたのも要因の一つだ。
欧州向けは当初、日本国内でコンバーティングする生地の中から
選んで販売していたが、業容拡大に合わせてオリジナルを増やし、
30%を占めるまでになった。これに伴い国内産地だけでなく、
中国などでの調達・組み立てを増やしてきた。
環境配慮型の素材が欠かせないため、
リサイクル合繊やオーガニックコットンなど認証原料が
求められたのも独自素材が増えた理由でもある。
百貨店グレードだけでなく、数量が大きいファストファッションへの
販売も増えている。8月には仏で初の個展を開いた。
スペイン・バルセロナには8月、ショールームを開設した。